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2024年04月27日  00時16分
おちおち
CATEGORY : [さな夢らんど あの街この街パーク]
四月八日(木)

半日で仕事を片付け、花見の宴に出掛けた。
行き先は京の都。
午後一時、車で家を出立し丹波橋駅に車を駐車。
京阪で三条へ。
地下鉄東西線に乗り換え、蹴上駅で下車したのが午後三時。

まず訪れたのは、琵琶湖疎水・蹴上インクライン跡。
インクラインとは、舟を運ぶための鋼索鉄道だ。
もちろん今は使われておらず、その敷設跡が残るだけだが、
線路脇には染井吉野が沢山植えられていて可憐な花をつけてた。
平日だというのに、多くの人で賑わっていた。

そこで花びら舞い散る桜を見惚れていて、ふと西側に目をやると、
何やら見覚えのある建物が…。
それは数年前、大学時代の親友が披露宴で使った建物だった。
あの時、祝辞という大役を任されていたせいで余裕がなかった。
しかも、私はその祝辞で号泣してしまったのだ。
懐かしい。
彼は元気にやっているだろうか?
近々、電報でも打ってみようと思う。

インクラインをあとにし、南禅寺へ向かう途中、金地院で足が止まる。
拝観料四百圓、特別公開されている方丈を観るなら七百圓だ。
どうせなら方丈の茶室・八窓席や猿猴の襖絵を観てみたい。
七百圓を納め、中に入ろうとすると、足りないと言われる。
どうやら拝観料の四百圓も必要らしい。
都合壱千百圓を二人分納め、ようやく中に入る。
東照宮の天井に狩野探幽によって描かれた龍に心を奪われた。
開山堂の十六羅漢像も、小堀遠州・作の鶴亀の庭園も素晴らしかった。
ここまでは四百圓で観れるのだ。
安い。
ここから先が足した七百圓分なのだ。

しかし、さすが七百圓。

こうして物事を高価か廉価かかで判断してしまう貧乏性は
おそらく死んでも治らないだろうと我事ながら思う。

前述の猿猴の襖絵は長谷川等伯・作。
絵心のない私でも鳥肌が立つくらいだ。
木にぶら下がってる手長猿が池に映った月を掴もうとしている。
猿の毛並み一本一本が丁寧に筆で描かれていてとても繊細だ。
他にも、この方丈には素晴らしい襖絵や茶室、庭園が残っていて、
それがどれほど貴重で素晴らしい物なのか…
案内の達人が丁寧に教えてくれた。

金知院をあとにし、南禅寺へと向かう。
参拝者は国際色豊かだ。
耳を傾けると、
英語や韓国語、中国語、判別出来ない言語が飛び交っている。
さすが京の都だ。
立派な山門をくぐると、意外にも桜の木はまばらで、椛が多かった。
秋に再度伺いたいと思う。

円山公園から国立美術館の疎水沿いにも染井吉野が植わっていて、
川面に花びらが舞い散る風景は、日本に生まれた事を幸福に
感じるひとときだ。

午後五時、まだ陽は高い。
とりあえず、喫茶店で紅茶。
小休止だ。


今回、私の本来の目的はここからだ。
岡崎疎水が西陽を受けてきらきら輝く暮六つ酉の刻、店を出る。
向かうは平安神宮の応天門。

この日を選んだのは、
【平安神宮 紅しだれコンサート 2010】
というのが催されているからだ。
宗次郎さんのオカリナを聴きながら、桜を愛でるという贅沢な宴。
開場前から応天門前には長蛇の列。
その列の最後尾に着き、十分もしない内に列の長さは倍くらいに。
この宴は回遊式だ。
まず門をくぐり、大極殿脇から南神苑に入る。
ゆっくり歩を進めながら、まるで花の雨のように垂れている
八重紅枝垂を見る。
徐々に暗くなる空の濃紺と、灯りに照らされた紅枝垂の濃い桜色、
この対比のなんと美しいことか。
今までに観た桜の中で一番綺麗と言っても過言ではない。
しかし、この美しさを写真という枠に閉じ込めて表現する腕は
残念ながら私にはない。
よって、写真は割愛。

インクライン~南禅寺~岡崎疎水~平安神宮(昼間)の桜がいかに
美しいかは、らぶらんどの昨年四月の記事を見ていただくとよい。
さなえ嬢の写真の腕は相当なものだ。
色や形など視覚に訴えるものだけでなく、
一枚の写真に質感や味、匂いや音なども写し込んでいるのだ。
(…と、これだけ褒めておけば大丈夫だろう)

もし、らぶらんどを遡って写真を見ていただくのなら、ついでに…
さなえ嬢の顔を私の顔に、美佐子嬢を嫁に置き換えてくれると尚よい。

話があらぬ方向に向かって走り出したので、軌道修正する。

南神苑を満喫したのち、再び大極殿の前を横切り東神苑へと向かう。
この頃には空はかなり暗くなっていて、照明に照らされた社は
幻想的で、厳かで、かつ雅やかな雰囲気を醸し出していた。
そこに宗次郎さんが奏でるオカリナの音色が心地よく耳に響く。
そう、いつの間にか演奏が始まっていたのだ。
東神苑には大きな池があり、その周りを歩く形で桜を楽しむ。
池に張り出した来賓館が演奏の舞台だ。

東神苑には紅枝垂だけでなく染井吉野もたくさん植えられている。
他にも、我々素人は知らないような品種もたくさんあるようだ。
散策路は狭く、多くの人が立ち止まり、宗次郎さんの演奏を聴く。
なかなか前に進まない。
かなりの人だ。
神苑内にはおそらく大阪城音楽堂三杯分くらいの人がいただろう。

この日の夜は気温が低く、風も冷たかったので体が冷えた。
当然、生理現象をもよおす間隔も短い。
途中、嫁が厠へ行った。
私は待った。
なかなか出てこない。
…長い。
…大か?
…いや、それにしても長過ぎる。
…はまったか?
…と、心配になるくらい混雑していた。

またゆっくり歩き出し、時には立ち止まりを繰り返しながら、
オカリナの音色と池に映る灯りや桜を心静かに愛でた。
これぞ花見、京まで足を運んだ甲斐があったというものだ。

久々の京は桜満喫の素晴らしい旅になった。




…という文を読んでる最中に、年賀状さんは二回も寝落ちしたそうです。
夜あまり眠れない方はどうぞ~(笑)
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2010年04月16日  12時27分
コメント[ 3 ]
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COMMENT
独身時代に、よく行きました。
南禅寺や京都東山界隈・・。

京阪電車も懐かしいです。

来春 ひとり暮らしがスタートしたら、京都で小旅行をたのしみたいです。
【2010/04/1614:28】||やん姫#990ea3cf11[ EDIT ]
中抜きしたから意味がわからなくなっちゃった!( ̄▽ ̄;)アセ
【2010/04/1616:09】||ヨッシー#9905b5246b[ EDIT ]
ライフワークとして読んでいきます(^^
【2010/04/1906:37】||SO#28a4d420d6[ EDIT ]
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